2007-01-01から1年間の記事一覧

星のシルエット

深夜1時。ふと、目が醒めたので、トイレに立つ。何やら聞き覚えのある、すごい大きないびきが辺りに響いているし、部屋も人多過ぎで酸素不足のような息苦しさだ。ひんやりした空気を吸いたくなったので、外へ出てみる。 すごい…、満天の星空。あまりに星が多…

2人で1枚

日が暮れたので、山荘に戻ってみると、布団1枚に2人との言葉通り、たくさんの人が部屋に押し込められていた。それでも、紅葉シーズンの涸沢で布団1枚に4人とかの話に比べれば、まあ、マシな方であろう。敷布団は半分ずつ使うとして、掛布団は幸いなことに布…

日暮れの水辺

夕食の時刻となり、食堂へ降りる。周りを見渡すと、多くの宿泊客に混じって、あの蛭子さんを発見。特に面識があるわけでもないので、挨拶はしなかったが、目立つ風貌はお互い様か。夕食メニューはメンチカツ、焼売、揚げ春巻など、保存食材っぽい惣菜中心で…

忘れていた心の故郷

いっこうに雲の切れる気配がないので、しばし、山荘の二階で午睡を決め込む。夜と違って人は少なく、今なら布団も独り占め状態だ。昼までで撮った写真をフォトストレージに読み込み、布団に寝転がったまま確認する。ここ鏡平で撮った写真は、幸か不幸か、最…

決断

池のすぐそばに鏡平山荘があるはずと思ったが、見当たらない。とにかく、ここで一休みし、写真を撮り始めた。すると、間を置かず雲がぐんぐん増え出し、ついには空を覆い尽くす。撮影タイムはあっけなく終了である。 重いザックを再び背負う。汗でベトベトに…

遠い600メートル

午前10時半。鏡平まであと600メートルの地点で、2リットルの水筒が空になった。まだ1リットル(+非常用0.5リットル)残っているものの、こんなハイペースで水を飲み干さざるを得ない状況は、まさに想定外だ。著しい体力消耗で、残りのたった600メートルがとて…

猛暑、酷暑

この日は、小池新道を進みお昼前に鏡平へ着いて昼食と写真撮影、その後、双六キャンプ地へ向かい、午後3時前には到着とする予定にしていた。地図を見る限り、鏡平までの登山道は勾配もあまりキツくなく、重装備を背負っていても標準コースタイム(3時間半)と…

出発準備

明け方前、午前3時。撤収作業中のパーティーの騒がしさで目覚める。こちらは6時発ちの予定なので、まだ慌てる必要はないのだが、目覚めたからには仕方ない。暗い中、朝食の支度を始めることにする。フライシートはかけなかったが、乾いた空気のおかげで、テ…

耳栓も必要装備?

ワサビ平の夜は、湿気のない爽やかさでとても心地よい。といっても、山岳用ダウンシュラフでは暑いので、シュラフカバーだけで寝てみることにした。暑くも寒くもなく、ちょうど良い寝心地で満足。今回、重量増の一因になりながらも持ってきて正解の装備であ…

快適なキャンプ地、ワサビ平

平湯温泉から登山口がある新穂高温泉の区間も、バスで移動。新穂高バスターミナル横の窓口に登山届を提出し、いよいよ登山開始。お昼を過ぎていることとバス旅の疲れも考え、この日の目的地は、標準コースタイム1時間20分のワサビ平に設定している。緩い林道…

出発

少しはカラダも慣れただろうと、今回、楽観的に詰め込んだザックの総重量は30kg。担いでみると、まあ重いなとは思うが、このまま行くことにする。 朝7時、新宿から高速バスに乗り、岐阜県の平湯温泉へ。バス車内では、登山歴30年という筋金入りの女性と横に…

 8月10日(金)〜8月17日(金)

10日(金) 出宅→新宿→新穂高温泉→ワサビ平キャンプ地 11日(土) ワサビ平キャンプ地→鏡平→双六小屋キャンプ地 12日(日) 双六小屋キャンプ地→双六岳→樅沢岳→双六小屋キャンプ地 13日(月) 双六小屋キャンプ地→樅沢岳→硫黄沢乗越→千丈沢乗越→槍ヶ岳山荘キャンプ地…

下山

ザックにすべての装備を詰め込み、最終日としての下山開始。 あたりの景色は真っ白で霧雨状態。目視できるのはせいぜい30メートルくらいだろうか。標識とコンパスに従って進むが、ハイマツの海を進んで行き止まりになった。途中で道を誤ったと判断し、引き返…

明け方の撮影

3時に起床。風は夕方より強く、テントのシートが顔面にひっきりなしにぶち当たる。この環境の中でよく熟睡できたと自分でも感心するが、テントのフレームそのものは至極安定しており、びくともしないので、不安はなかった。強風のためかテント内の室温は9℃に…

これぞ強風

ヒュッテでキャンプ受付を済ませ、夕食を申し込む。すると…。テント泊者への夕食提供はやっていないという。まあ、しょうがないか。うどんなどの軽食は大丈夫ですよね?と聞くと、それもお昼の時間帯がもう終わったとのこと。ちょっとがっかりだが、受付の方…

アクシデント

ピークに立つと15℃、鞍部の茂った森林帯では20℃越え、上と下で5℃以上の温度差を伴う激しいアップダウンを何度も繰り返し、いい加減うんざり。 ふと、腰のポーチに手をかけると、あれ?蓋が開いている。心配になり、中身を確認。カメラの交換レンズOK。お金や…

山行はまだまだ続く

山頂から降りると、早速、昨日の話で聞いたガレ場の連続がお出迎え。足元がすくわれそうになりつつ、気を引き締めて、慎重に岩道を歩く。 進むにつれ、右手に見える穂高連峰がぐんぐん近付き、パノラマ銀座の異名を実感する。 アップダウンを繰り返しながら…

常念岳への登頂

6時半、撤収を済ませ、常念岳登頂に出発。400メートルの急登だ。二合目付近で、後から来た大学パーティーの皆さんに追い抜かれる。彼らもテント泊装備を背負っているが、やはり、私よりずっとピッチが早い。しかし、彼らは五合目付近で休憩。私はあまり疲れ…

神々しい夜明け

3時起床。今までのキャンプ地が、暑さ、寒さ、強風、荒天と、インパクト続きだったので、ここ常念乗越の穏やかな夜はとても休まり、リラックスした目覚めである。 お隣のテントは某大学山岳部の皆さんだが、もう出発準備を始められていた。常念岳山頂で御来…

夕刻のひととき

5時になり、食堂へ移動。メニューは、厚切りロースハムを中心に、保存性の高い食材が並ぶものだった。平地価格だったら1500円で納得という感じだろうか。しかし、ご飯、味噌汁は美味しく、ここでもお代わり自由。フルーツゼリーのデザートが三つほど付き、ト…

常念小屋前のテラス

小屋に付き、キャンプ受付を済ませ、夕食を申し込む。ここのキャンプ地は広く、二面あるが、大天井岳に近い側は今日、ヘリによる荷下ろしで使うため、テントは張らないでくれとのこと。 キャンプ地では強風を予想したが、意外と風は弱い。簡単にテントを設営…

縦走路の先に樹林帯

午前7時半、次の目的地、常念乗越に向け、出発。 広大な青空にカラダ半分が浸るような風景、からりとした空気に足取りも軽い。25kgのザックも、食べた分で少しは減っただろうか。 波打つ雲海を横目に、彼方まで続く緩やかな縦走路を歩いていると、海岸にいる…

アルプスシンフォニー

テントに戻り、熱い紅茶を入れ、カラダを暖める。少し早いが朝食を支度し、あまり空いていないお腹に詰め込む。 午前3時半。まだ月明かりが支配する闇の中、カメラを持って常念岳へ登頂。尖った風が耳を切り、びゅうびゅうと音を立てる。 やがて、東の地平線…

絶景のチャンス

明け方前、午前2時。ふと、目が醒め、トイレに立つ。前日の曇天はきれいに流れ、空には満月が輝いている。見晴らしの良いキャンプ地から南の方角を眺めると、月明かりに照らされ、雲海が荒々しく沸き立っている。言葉では形容しがたい、一種神憑り的な光景が…

荒天にワクワク

テントに戻ると、風が出てきた。ここは、夕刻から夜にかけて風が強まる場所のようだ。二泊目なので、テントシートのバタツキもさほど気にならなくなってきたが、上高地で100ミリという雨量がちょっと心配だ。でも、次第に強まる風と雨、荒天にワクワクしてし…

またーり過ごす午後

午後は、ボケーッとしながら流れる時間をのんびり過ごす。雨も風もさほど強くなく、テント内は静かで穏やかだ。 長い午後の時を過ぎ、夕刻が近付いたので、少々早いが食堂横のラウンジに行く。テレビとともに、山の本や写真集が置かれ、ちょっとした暇つぶし…

大天井岳に登頂

お昼前。雨が止み、雲の切れ目が少し見えてきたので、標高2922メートルの大天井岳へ登頂。片道10分足らずの超お気軽登山であるが、3000メートル近い天空との境目だけあって、空気の薄さを実感する。カラダの動きを早めると、すぐに息切れしてしまうのだ。 頂…

雨の朝

午前4時起床。慣れなのか、時刻が遅くなってきた。 朝食を摂りながら、ラジオで気象予報をチェックする。長野県内一帯に大雨洪水注意報。特に、夕方から夜、明け方にかけて、たくさん降るという。予想雨量は上高地で100ミリ。うひゃ〜こりゃダメだ。大天井岳…

標高2875メートル、風強し

夕食は大天井荘でいただくことにした。メニューは肉と魚の好きな方を選べる。肉は鳥唐揚げ、魚は鯖味噌煮とのことで、魚を選択。 燕山荘と比べるとやや質素だが、刻みキャベツにはスライスされた黄色いパブリカが添えられたりで、細やかな料理のセンスが光る…

孤独な大天井荘キャンプ地

大天井荘のキャンプ地へ出てみると、あれ?誰もいない。ここで一泊する人はやはり少ないようだ。ここは普通、休憩ポイントであり、燕岳から1日で次の常念乗越まで歩いてしまう人が多いのである。私の場合、荷物と体力的な考慮もさることながら、展望台として…