縦走路の先に樹林帯

午前7時半、次の目的地、常念乗越に向け、出発。
広大な青空にカラダ半分が浸るような風景、からりとした空気に足取りも軽い。25kgのザックも、食べた分で少しは減っただろうか。
波打つ雲海を横目に、彼方まで続く緩やかな縦走路を歩いていると、海岸にいるような錯覚さえ、感じ始めている。

しばらく歩くと、横通岳を左に巻き、急峻な下りに出た。ここを下った先が、常念乗越だ。常念小屋の赤いトタン屋根も小さく見える。
そろそろ下り終えるかと思ったあたりで、樹林帯が見えてきた。背を屈めて枝葉を避け、ぬかるんだ道を進む。大した時間ではないが、体感的にはかなり長く感じられ疲労する。
うっそう茂る木々を抜けると、目の前に大きく常念小屋が見えてきた。