猛暑の丹沢

夏休み予定の1週間前に迫ったので、脚の状態確認として、丹沢・大倉尾根から塔ノ岳を往復してみた。
30℃を超える真夏ではあるものの、久しぶりに曇りの日で、暑さはちょっと和らいでいる。暑さより気になったのが、電車・バスの冷房の強さだ。外界との温度差ショックが大きく、これだけで体力消耗してしまう。

前日の休日勤務で疲れを引きずって出宅が遅れ、大倉登山口に辿り着いたのは、ほぼ12時だ。樹林帯はそれなりに暑さの引く感じはあるが、ムッとする湿気で、汗が乾かない。

歩き始めて1時間ほどで、コースタイム通り、見張茶屋と駒止茶屋の中間地点のベンチに着いたが、暑さが限界点に達し、とりあえず休憩することにする。首に巻いたタオルを絞ると、濡れ雑巾のように水が流れ落ちる。これすべて汗なのかと感心しつつ、ザックを置いてベンチに腰を降ろすと、無性に睡くなった。このところの睡眠不足がたたり、もはやカラダが言うことを聞かない。そのままゴロンと横になり、ウトウト…。
ハッと気付くと、時刻はすでに14時を過ぎている。いかん!と思い、起き上がって、登山再開。仮眠をとったおかげで、カラダはすっきり。足取りもさっきより軽い。

曇り空で直射日光は弱いが、その代わりに湿気が多くうだるような暑さだ。しかし、高度を上げるにつれ少しずつ楽になり、風が抜ける稜線では爽快ささえ感じるようになった。途中、ホタルブクロなどの花々が目を楽しませてくれる。



16時半過ぎ、塔ノ岳の頂上到着。あたりはガスで遠景はまったく望めない。

12時ちょうどからのスタートなので、登頂まで要した時間は4時間半ちょっと。仮眠と途中休憩を差し引くと、ほぼコースタイム通りだ。心肺的な疲れはあるものの、脚は意外にしっかりしている。6月からのトレーニングの成果は、それなり出たと思う。
仏山荘でコーヒーをいただき、世間話をしながら一休み。17時ちょうどに下山開始。下山口の近くで、鹿に出くわした。

近づいても、こっちをあまり気にすることもなく、悠々と草を食べている。時間があれば、じっくり観察するところだが、ぐずぐすしているとすぐ陽が落ちてしまうので、足早に立ち去ることにした。
途中、ザレ場の下りに思いのほか苦労し、スピードが上がらない。また、堀山の家で左折すべきところ、うっかり直進してしまい、違う道へ迷い込んだ。しっかり踏み跡のある登山道なのだが、延々と木の根の上を歩く道が続く。5分くらいで間違いに気付き、10分ほどかけて堀山の家まで登り返す。併せて15分のロスになった。
見晴茶屋まで来たところで、あたりがかなり暗くなったので、非常用のヘッドランプを使うことにした。
http://www.alteria.co.jp/frame/contents/products/Headlamp/LED/E02P.htm
PETZL e+LITE という製品で、専用ケースに入れると、片手で握ってすっぽり隠れてしまうミニサイズだ。ちょっと心細い暗さではあるが、まあ、歩く路面を照らすにはぎりぎり実用範囲内だと思う。3年前、双六岳に登った際に、夕刻の撮影中、ガスに囲まれてしまい、道に迷った。うっかりライトを持たずに行ったので、真っ暗闇の中、手探りでキャンプ地まで2時間費やし苦労して降りたのだが、あのとき、このe+LITEがあったら、恐らく半分の時間で降りられただろう。

今回は結局、19時45分頃、登山口に着いた。道迷いのロスタイムを差し引くと、ちょうど2時間半で、登りと同じくほぽコースタイム通りだ。脚は、道迷いの登り返しで少し焦って負担をかけてしまい、以降、チカラが入らない感じになった。例え+10分くらい余計にかかったとしても、慎重に登り返したほうが、最終的には早かったかも知れない。
本調子のときは、登り・下りともコースタイムの7割くらいに収まるので、今回、はっきりスピードが落ちているが、しばらくのブランクと酷暑を考えれば、それほど悪くない結果だと思う。低山とはいえ大倉尾根は、標高290メートルの登山口から標高1491メートルの山頂まで、標高差1201メートルを一気に登り降りするそれなりハードなコースだ。

なお、水分は、水3.5リットルとペットボトルのポカリスエット0.5リットル、粉末ポカリスエット1袋(1リットル用)を持って行ったが、余ったのは水1.0リットルだけだ。つまり、3.0リットルの水分(うち半分はポカリスエット)を飲み干したことになる。過去の経験から言って、1日の行動中に水分4リットルを飲み干したら、自分にとっての行動限界に達する。その意味で、この猛暑の大倉尾根往復は、限界近い内容だったと思う。