鏡平で過ごす1日

朝4時半頃、起床。前夜は食事を採った後、すぐに就寝したので、9時間半ほど熟睡したことになる。やはり、夜行バスで睡眠不足に陥っていたようだ。

4時50分頃、撮影機材を持って、鏡池へ行く。まだ誰も来ていなかった。雲ひとつない夜明け前、槍穂高のシルエットが美しい。
6時15分頃、山荘に戻って朝食をいただく。毎度のことながら、ご飯も味噌汁も美味しい。山小屋の朝食は、往々にしてご飯が堅かったり味噌汁が手抜きだったりするのだが、鏡平山荘の食事はきちんとしている。
6時40分頃、鏡池へ行き、撮影再開。雲が出てきた。

7時00分頃、日の出を迎えたが、太陽は雲に隠れて見えない。周りの人の話によると、前日の朝は雲がもっと早い時刻に出ていて空が赤く染まったとのこと。なかなか、うまくいかないものだ。

山荘の部屋に戻って布団を畳んで荷物を片付け、また、鏡池で撮影再開。9時頃になると雲が引き、晴天となった。

10時近くなると、再び雲が増えてきた。

11時近くなると、風が出てきて、水面に波紋が現れ、逆さ槍は乱れて見えなくなった。撮影は一段落、周りの人たちと世間話。お昼は、鏡池で持参したヤマザキパン・ランチパックを食べた。

13時頃になると、いよいよ雲が槍の穂先を隠したため、撮影を終了。空を覆う雲はみるみる厚くなり、辺りが暗く寒くなってきた。
山荘に戻って、撮影した写真をフォトビューワーにコピーし、結果を確認。ビューワーで、一昨年に採った同じ紅葉時期の鏡平の写真と比較し眺めてみた。

例えば、一昨年の上の写真などと比べてみても、鮮やかさに乏しい。山荘の方の話によると、今年はナナカマドが染まる前に枯れてしまったとのこと。また、ダケカンバの黄色はまだ早いが、これも枯れ落ちている部分があり、鮮やかさを欠いているようだ。毎年鏡平に来ている常連さんの話では、今年の紅葉を採点すると、30点くらいとのこと。でも、今年には今年の美しさがあるものだ。目の前に見えていた風景こそ、今年の本物の鏡平なのである。
なお、縦走した人の話によると、双六から三俣蓮華岳に至る巻道のカールが、非常に見事な紅葉だったそうだ。聞いた話を総合すると、今年は残雪の多かった場所なら紅葉の傷みが少なく、見栄え良いように思えた。
15時を過ぎるとすっかり霧に包まれ、見通しが効かなくなった。夕方には雨が降り出した。当然、撮影はできない。

今日は昨日よりも宿泊人数が多いらしく、夕食は二回に分かれた。久しぶりに、連泊者メニューをいただく。一般者メニューのコロッケの代わりに、照り焼き風の鶏が入っている。