三俣キャンプ地から鏡平へ

テント生活の快適具合は、時として幸運・不運に左右される。前日、自分がテントを張ったすぐ後、近くに女子高生のグループが到着し、テントを張っていたのだ。そのおかげで前夜は20時以降までガヤガヤと騒がしく、今朝は03時頃から撤収のガヤガヤが始まった。不運ではあるが、朝の目覚まし代わりにはなったので、まあ、良しとするか。
朝食メニューは、アルファ米の山菜おこわ、ソフトふりかけの鳥玉そぼろと紫蘇ひじきを残り全部、シジミ入り味噌汁。今回最後のキャンプ食だ。

雲ノ平に比べ、三俣は朝露が多い。テント生活もこれで最後なので、朝日がしっかり当たる頃まで待って、よく乾かしてから撤収。晴天続きなのはありがたいが、雨が降らなかったことで、水場は5日前に来たときよりも水の出が細っている。水筒に1リットル詰めるのに5分くらい要した。


07時10分頃、三俣キャンプ地を出発。背後の鷲羽岳も、これから登る三俣蓮華岳も、ともに朝日を浴びて鮮明な姿だ。

08時20分頃、稜線ルート・巻き道ルートの分岐点に到着。往路は巻き道ルートだったが、帰路は稜線ルートを採ってみることにした。

山頂直下のお花畑。この時期なのに花が多く残っている。

08時40分頃、三俣蓮華岳の山頂に到着。

山頂から望む笠ヶ岳

黒部源流域を中心に、左から、祖父岳、水晶岳、ワリモ岳、鷲羽岳

槍ヶ岳の展望も素晴らしい。

三俣蓮華岳の山頂で心ゆくまで撮影を楽しんだ後、09時25分頃、双六岳に向け出発。
三俣→双六の稜線ルートは、なだらかでアップダウンが緩く、開けた展望で、とても快適な道が続く。最初のほうの丸山の登りと、最後の双六岳の登りがちょっときついだけだ。天候が良ければ、巻き道ルートよりも稜線ルートのほうがずっといいと思う。

10時頃になると、槍ヶ岳は雲に隠れて見えなくなった。
途中、単独行の若い女性たちと何度かすれ違った。いわゆるワンゲル上がりのワイルドな女性たちとも違う、ちょっと前には見かけなかったタイプである。山ガールと呼ばれる、最近の登山ブームで現れた人たちのようだ。可憐なお花畑が続く双六〜三俣のルートは、むさ苦しいおっさんたちよりも、彼女らのほうが似合う山域なのかも知れない。

11時30分頃、双六岳の山頂に到着。辺りはガスに包まれて展望は良くない。

双六山頂から、滑走路状の双六稜線を見る。もっと早い時刻ならば、この先に槍ヶ岳を望めたはずだが、まあ、仕方ない。ほんの少し雲の切れ間が出そうなので、三脚を立てて少し粘ってみたが、ダメだった。

山頂直下では、トウヤクリンドウが花盛り。

12時45分頃、双六小屋に到着。

ものすごく腹が減ったので、牛丼とカレーライスを食べた。双六小屋のご飯も、とても美味しいのだ。

13時35分頃、双六小屋を出発。キャンプ地はテントが少なく、閑散としている。

15時20分頃、弓折乗越に到着。濃いガスに包まれ、視界は30メートルくらいが限界。

16時00分頃、鏡平山荘に到着。予想に反して混んでいた。山荘の方の話によると、最近はお盆時期が敬遠されて、この時期に混雑するという。しかし、幸いなことに1人あたり布団1枚以上のスペースはしっかり確保され、快適に過ごすことができた。