目指すは双六岳と三俣蓮華岳

キャンプ地や双六小屋の周辺を撮影してまわり、午前9時、いったんテントに戻る。この日に予定するのは双六岳への登頂であるが、地図を見るうち欲が出る。昨日の樅沢岳登山のタイムからすれば、三俣蓮華岳まで行っても2時くらいには戻って来られるのではないか。ゆっくり撮影時間を含めても、3時までには楽勝で戻れるはず。よし、行ってみよう!

午前9時半、軽量装備で双六岳への登山開始。双六小屋の水場から西へ上がる道がルートであるが、早速の急登に足が悲鳴を上げる。樅沢岳のようなつづら折りとは違って、こちらは傾斜の効いた直登道なのだ。準備運動をしなかったことに後悔するが、まあ、カラダの具合を見ながらゆっくり登れば良いと考え、ペースを落として進むことにした。
10分もすると足の筋肉も目覚め、ピッチが上がってきたころ登り道は緩やかになり、ルートの分岐点に出た。まっすぐ双六岳山頂に向かって進むと、再び、急登する道になる。重なった鏡餅をよじ登るような独特の地形である。
出発してから25分で、コースタイム40分地点にある撮影ポイントに到着。双六岳の丸い稜線が月面や火星の大地の地平線を連想させ、鋭い槍ヶ岳穂高連峰の稜線が対照的な景観を作る。双六で写真を撮るなら、まずココと言われるほど、有名なポイントである。早速、適切なアングルを求めて周りを歩き、いろいろとレンズを交換しながら、何枚もシャッターを切る。

登山者の隊列が良い感じに収まった。もう少し雲が欲しいと思いながらも、時間が過ぎて日がさらに高くなったら空と稜線のコントラストが弱くなる恐れもあり、タイミングが難しいポイントだと思う。