双六で迎える朝

朝の双六谷

午前4時に起床。前日の就寝が早く、じっくり熟睡できたようだ。周りでは、早立ちの人たちによる撤収作業の様子が聞こえる。マイテントは、内面が盛大に結露し、床の銀マットの下は水溜まり状態。外に出てみると、辺り一帯が厚いガスに覆われ、空気中に細かい水滴が舞っている。この日、明け方の撮影は予定していないので、テントの中でおとなしくラジオを聴ききながら、日の出までの時間を過ごすことにした。
7時頃になると、ようやくガスも晴れてきた。直射日光が差し込むと、気温も急上昇し、テント内の湿気がみるみる飛んでいく。朝食を支度し、テントの外に出て双六池を見ながら、のんびりと食す。マイテントのすぐ前には、腰掛けるのにちょうど良い大石のあるのが、ありがたい。真っ青な空とそれを映す双六池、力強い植物たちの緑、強い日光に照らされた土壌、そして色とりどりのテント村が、原寸大のパノラマで眼に飛び込んでくる。極上の風景を楽しみながら飲むコーヒーも、また格別に美味しい。
大石に腰掛けてくつろいでいると、あの蛭子さんがやってきた。撤収を終え、これから三俣山荘のキャンプ地へ出発するという。お互いの山行の無事を願いあいながら、分かれの挨拶を交わす。