残雪の鏡平
6月2日(日)〜4日(火)の3日間で、鏡平へ行ってきた。当初、4日間の予定を組んだが、5日(水)に天気の崩れる予報が出たため、1日短縮のA案とした。
1日目 新穂高温泉→ワサビ平
新穂高温泉からの左俣林道は、新緑に包まれ、路面もきれいに整備されていた。
中崎橋では橋梁が傷んでいるらしく、通行注意の標識が立っていた。土木用重機なども通っているので、人間1人くらい渡っても問題はないと思うが、あまり気分の良いものではない。
夏のコースタイム通り歩いてワサビ平に到着し、テントを設営。この日の午後は小池新道入口付近での撮影ロケハンと、ルート状況の確認に充て、鏡平へは翌朝から向かうことにした。
小池新道入口付近は、予想以上に雪解けが進んでいた。日差しがあれば良い写真が撮れるのだが、残念ながら曇天。
その後、秩父沢出合い付近まで登ってみたが、夏道はまだ大部分が雪の下だった。雪はよく締まっており、スノーシューは不要、アイゼンのみでOKと判断した。
2日目 ワサビ平→鏡平
日の出前にワサビ平を出発し、小池新道入口付近で撮影のため日差し待ち。光を浴びた渓流は青く輝き、見応えある景観となった。
雪解けとともに、ダケカンバが幹を起こし始めていた。根元の雪面はところどころ空洞ができていて、うっかり踏み抜くと落とし穴のようにはまってしまう。ケガをしないよう、慎重に歩いた。
今回のルートでの核心部は、予想通り鏡沢の急登だった。急斜面にシュルンドができていて、踏み抜かないよう非常に神経を使った。
鏡沢の急登を抜けると広い緩斜面となり、熊の踊り場に出た。無雪期は気付かなかったが、アリーナ状のミニカール地形になっていることから、熊の踊り場という名前が付いたのだろうか。
鏡平山荘はまだ建物の大部分が雪に埋まっていた。当然ながら人っ子一人いない。池を越えた向こうの登山道上にテントを設営した。
この日は午前9時くらいで槍穂高の稜線は雲に包まれてしまい、以後、展望は望めなかったが、日没になってやっと槍の穂先が姿を見せた。