昔のアルバム

母の命日が近いこともあり、昔の写真アルバムを引っ張り出し、しばし眺めてみる。
アルバムにあったメモを見て、また意外な年齢の巡り合わせに気付いた。自分が生まれた時、父の年齢は、今の自分の年齢と同じだったのだ。そのころの写真を見て、今の自分の姿を重ねてみる。
アルバムには、その7年後の父が事故で命を落とす直前(3日前)、建ったばかりのマイホーム前で、父と自分の二人で写った笑顔の写真もある。マイホームが建ったのは、事故で亡くなる2か月前だ。年齢の割に、意外と当時の父の姿は若いなあなどと思いつつ、7年後の自分は果たして、この父のような顔になっているのだろうか?と、また写真に自分の姿を重ねてみる。
父が亡くなったのは、飛騨の山である。土木技術者として、防災工事計画の作成に従事していた。測量士などを連れて危険箇所を調査していた最中、落石に遭い、命を落としたのだった。亡骸は事故に遭ったとは思えないくらいきれいで、かすり傷程度。何があったのか理解できない自分とは対照的に、死んだのが諦められず、すぐにも生き返るんじゃないかと思って何度も大声で呼びかけている母の姿が、記憶に残る。