不人気スポット? 屏風の頭

屏風の耳に着いてみると、三脚を立てて撮影する人を始めとして、10人近くの人がひっきりなしに出入りしている。しかし、屏風の頭は誰もいないし、途中の道も人の気配がまったくない。ここから頭は見通しですぐ先、耳から降りた先は道も明瞭なのに、誰も行かないのはなぜ? そう、問題は降り道である。道標はないし、踏み跡も急斜面の藪に向かうのが二本。とりあえず、なんとなくはっきりしてそうな東側の道を降りてみる。すると、5分もしないうちに、太い倒木にぶつかった。乗り越えられなくはないが、これはちょっと…。
記憶を辿ると、そうそう、本谷側に降りると急降下で危険、涸沢側が正解だった! ヒヤヒヤしながら登り戻り、西側の道を降りてみる。こっちは最初の斜度が急で怖い感じだが、足場はさっきの道よりしっかりしてて、ぜんぜん問題ない。這い松の藪をかき分けるのも最初だけ。10分ほどで、耳と頭の中間コルに着いた。
コルから頭までは、耳への登りよりも緩い道。楽々、頭の頂上に着く。耳を眺めると、さっきより三脚を立ててる人は増えているが、こっちに向かう人は皆無。頭を独り占め状態で、ちょっとした優越感だ。特に、本谷カールから槍ヶ岳にかけての展望は、ここまで来なきゃ撮れないものがあるのだが。
魚眼から200mmF2.8まで、持ってきたレンズすべてとっかえひっかえで撮影の後、せっかくなので三脚とセルフタイマーで一人記念撮影をやってみる。巨大な涸沢カールを背景にして、心ゆくまで撮影を楽しんだ。



見事に染まった涸沢カールの夜明け。



陽を浴びて輝く錦秋の涸沢。



屏風のコル付近は紅葉最盛期。



真っ赤に染まったナナカマド越しに見る槍ヶ岳



屏風の耳からの涸沢カール眺望。



屏風の頭からの涸沢カール眺望。微妙な違いだが屏風の耳とは視点がひと味違う。



屏風の頭から見下ろす、涸沢ヒュッテと涸沢小屋。



魚眼レンズで俯瞰した槍穂高の全景。



午後になると、キャンプ地はテントでぎっしり。



涸沢小屋テラスから見た屏風岩。中央のピークが頭、右のピークが耳。耳から左への下りは非常に急峻。