目指す彼方

合戦小屋での休憩を終え、残り1/3のルートを登る。ほどなく森林限界を越え、ぱあーっと視界が広がった。明るい岩場を乗り越えると、高い彼方に目指す燕山荘が見える。まだあんな遠いのか…。そして左手には、二日後に歩くだろう遥か雲の上の縦走路が高くそびえている。
もう一頑張り…、そう何度も自分に言い聞かせながら、一歩一歩、確実に岩を乗り越えていく。時間にすれば1時間強ほどだが、体感的な時間は長かった。