ゴールデンウィーク後半のわさび平

5月3日(土)〜5/5(祝)の二泊三日でわさび平を歩いてきた。今回は目的を雪融け風景の写真撮影に絞り、稜線には登らないことにした。

1日目 新穂高温泉→入山→わさび平


毎日アルペン号で前夜に東京竹橋を出発、新穂高温泉へは朝6時30分頃に到着した。昨年の同時期よりも緑が映える風景で、雪融けも進んでいるようだ。

左俣林道はところどころ残雪があるものの、半分以上は雪のない部分を歩くようになっていた。しかし、雪の急斜面をトラバースしなければならない箇所もあり、夏道に比べると20分ほど多く時間を要した。

わさび平小屋の周辺も雪融けが進み、キャンプ地もところどころ地面が出ている。ふかふかな落ち葉の場所を確保し、テントを設営した。このところ仕事が忙しく睡眠不足気味だったこともあり、軽く昼寝を摂っていると、突然、ドーン!という音に続いて地面がゴムのようにブルン!と大きく揺れた。それと同時に、近くの山からガラガラと土砂の崩れ落ちる音が響く。大きな雪崩れでも起こったか?と思ったが、数分置いて再び台地が揺れ、ただ事ではないことを悟った。とりあえず、周辺ではこのキャンプ地が斜面から離れた一番の安全地帯と考えられるので、動かずしばらく様子を見ることにする。
昼頃になると、ときどきかすかに入感するケータイメールで、群発地震発生の情報が入ってきた。上高地から奥飛騨にかけて地震が続いているらしい。天気が薄曇りで撮影行動に向かうモチベーションも低く、この日は地震の落ち着きを待ちつつ、テント内でゴロゴロして過ごした。14時を過ぎたあたりから雨が降り出した。夕方近くはかなり強い降りになったが、わさび平はあまり風を受けることもない場所で、安心して滞在できた。

2日目 わさび平滞在


翌朝になり、カラダにギリギリ感じる小さな余震がたまに起こるものの、揺れはほぼ収まった。遠望の利きそうな天気だったため、小池新道の途中まで行ってみた。デブリの山を乗り越え、奥丸山新道と小池新道の分岐点まで来てみると、やはり残雪は昨年より少ないようだ。

朝の日差しを待って、スノーブリッジの裂け目を撮影。空の青さと雪の白さ、水しぶきの躍動感が際立つ写真になった。

今年は大きなデブリが出来ていた。ここは午後の半逆光で撮れると良いのだが、この日の午後は薄曇りになってしまい、朝の順光による写真しか撮れなかった。

午前10時、秩父沢上部の標高1750m付近まで登ったところで雲が出てきた。日暈が現れ天気の崩れを予想できたので、行動はこの付近までに留めた。

秩父小沢に沿って少し下ると、雪崩で土砂の堆積している場所があった。かなり大きな石もゴロゴロしていて、雪崩れが放つチカラの凄まじさを感じさせる。
お昼頃テントに戻り、昼寝をしたりして過ごした。

3日目 わさび平→下山→新穂高温泉


3日目の早朝は、今にも雨が降り出しそうな天気。普通なら本降りになる前に大急ぎで下山するところだろうが、雨のブナ林を撮りたかったので、パッキングを完了した後、わさび平小屋の周辺を歩いてみた。

ところどころフキノトウが頭を出していたが、人工物が写らない範囲で密生しているものは残念ながら見つからず。

バッコヤナギが黄色い雄花を付けていた。わさび平では、花粉症と思われる鼻水や眼の痒みに悩まされたが、ひょっとしてこれの花粉だろうか?
10時少し前に新穂高温泉に下山完了。久しぶりに立ち寄った平湯の森は大変な混雑で、芋の洗い場状態。食堂は1時間待ちの行列だった。17時に平湯温泉を出発した高速バスは渋滞にはまり、新宿へは24時ぎりぎりに到着。終電での帰宅となった。